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帰る場所っぽいのがあった

これは発見だ。

離れて、戻って、初めてわかる。

実に普通だ。

 

生きてきた場所に特に思い入れは無く、よく知ってはいる、って具合だったけど、

いざ帰ると足を運ぶ場所があり、お土産を渡したい人がいる。

 

実家でもよく知っているご飯が出て、

よく知っている風呂に入った。ドアノブがまだ修理されていなかった。

飲んで寝て、メシ食って寝て。

3日程度の帰省では驚くほど快楽ばかりだった。

思ったところに思った人がいた。

 

これはぼくにとって本当に鮮烈で、すごい方程式を発見したような気分になった。

ぼくは地元で傷つき、苦しみ悶え、たまの享楽に勤しみ、アッサリと上京した。

上京自体は手段なのだけど、目的にもなっていて。

結局地元には居場所が無いや、と思って出てきたのにいざ帰ってみるとこれかと。

たまにの帰郷だからというのはわかっているけれど、どうしてこんなに苦味が無いのか。

垢だらけのこの町でなぜこんなに安心できるのか。故郷は不思議だ。

 

帰り際にすごく寂しいような辛いような気持ちになり、ぼくの所在が殆ど無くなった。

父は再雇用で仕事に出ていて、母は年に2回ある友達との誕生日パーティー。

兄は一足先に東京へ帰ってそっちでフットサルの練習があるらしい。

ぼくは1人、まだ自分の部屋の場所で惰眠を続けていた。

丁度都会が焼けていく夢だったので続きを見ようと必死だった。

東京ではベッドだけど実家では布団なので身体がビキビキして痛かった。

半年も経っていないのに身体はすぐ慣れてしまうようで。

そういえば水も最初は合わなかったけど肌荒れは収まったし。

上京する直前までやってたバイトを辞める際に同僚がくれた色紙が部屋にあり、

ふと目を通した。

そこにはそれとなく褒めそやされてるぼくがおり、当時の充足感を思い出した。

バイトは楽しかったのだ。一生懸命やったし甲斐もあった。

学び多い系即感動即シェア人間なんかはこういうことで初心に帰るのだろう。

ぼくは、ウワッ今は嫌なことやってんな、てかこの頃のぼく文字上で慕われてんな、

今んとこ東京で必要としてくれるひといないぞ、オッ辛い、みたいな感じ。

自ら火傷してヒリヒリした。

実家を出る前、入念に忘れ物が無いかチェックした。

一度靴を履いたのに脱いで戻るってのを二回した。

忘れ物は見つからず、きれいにぼくが持ち出せたようだった。

 

自分のやりたいことのために東京に出てきたものの、

自分のために何かをしてあげるのが心底苦手であって、

マジでなんでここに居るのかわかんないんだけどとりあえずまだ死ぬってほどじゃない。

というか生きる意味が無いくらいじゃ死ねない。

 

 

 

以上、インターネット上に公開される日記です。