プロダクトマネージャーが意識的にデザイン思考を取り入れると

この記事はProduct Manager #pdmAC Advent Calendar 2017の13日目の記事として書かれました。前回の記事はwatcafeさんのプロダクトマネージャー、組織というプロダクトとも向き合うでした。

こんにちは。GMOペパボ株式会社でプロダクトマネジメントをしています @jitsuzon です。

本エントリでは、PMの自分が取り入れたデザイン思考の使い方を、分析的思考との違いを交えながら書いていきます。 基本的には備忘録ですが「デザイン思考、よく聞くけど一体何なの?どう取り入れているの?」という方や、「なかなか企画が決まらないんだけど、どうすればいいんだ」という方のヒントになれば嬉しいです。

「デザイン思考」って?

各所で説明がされていますが、こちらでも簡単に書いておきます。ざっくりと言えば以下のような思考法です。

  • ユーザーを中心に物事を考える
  • 実践的な問題解決を主眼に置く
  • ユーザー調査やプロトタイピングを繰り返す

ウェブサービスの改善のように、複雑なものが絡み合うものに対して、適切な処方をするのは簡単ではありません。どこに手をつけるか、何をどうやるか、たくさんのステークホルダーの利害をどう調整するかなど、考慮すべきことは山のようにあり、それぞれに明確な答えが無いことがしばしばです。

デザイン思考では、ユーザーを中心に考え、アイデアを高速で形にして改善を繰り返していくことで、問題のより良い解決に素早く近づいていきます。

https://u-site.jp/wp-content/uploads/2016/11/designthinking_illustration_final-01-01-780x789@2x.png (参照:デザイン思考の基礎 – U-Site

対となる思考は?

分析的思考や、戦略思考が対として語られます。2つはまったく同じものというわけではないのですが、面倒なので特徴をまとめて書いておきます。

  • 様々な目線から多角的に物事を考える
  • 論理的に因果関係や相関関係を推測する
  • 時間の経過や状況の変化など考えるべきスパンが長め

こちらも問題解決をしたいことに変わりはありません。 ウェブサービスの一機能のように、すぐフィードバックが得られるわけではない長期スパンのものや、 実際に試すより早く正確そうな因果関係がわかる、という場合はこちらの思考を使うのがいいでしょう。

私はこう使った

私はベースの思考がずっと分析的でした。 答えがちゃんと出ないものに対して、考えたりデータを増やせばきっと論理的に解が出るはずだと数時間考えて成果ゼロ、みたいなこともありました。 これは単に自分の頭が良くないのもあるのですが、そもそも取り組むものによって向き不向きがあることに気づきました。 デザイン思考について知ってやっとわかったので、もっと早く知ってたらよかった!と思いました。

デザイン思考が得意なこと

以下にあげるようなPMの仕事はデザイン思考が得意な分野だと思います。

それぞれ、「相手が明確」な場合です。ニーズを考え、そこに対してできることを最速で投入する。考える対象が少ない分、行動を早く起こせます。もちろん慎重にやるべきことはありますが。

特に施策の企画、実施案の決定は、デザインスプリントというワークショップが便利です。1つの決定に必要なワークショップがいっぱい入っていて、かいつまんでもできます。型が決まっているというだけで、どうやるかを考える手間が省けることが最大のメリットかもしれません。 弊社では部署横断のデザインチームがファシリテーションをしたり、新卒研修にも取り入れたりなど、経験する機会がだいぶ増えています。

その他でも上記で詰まったな、ということがあったら、

状況の整理→課題(ストーリー)の定義→ブレスト→アイデアスケッチ→実践or壁打ち(ヒトと話す)

を時間制限つけておこなって、だらだら悩む時間を減らすことにトライしています。デザイン思考では収束と発散を繰り返すため、メリハリをつけるのが大事だと思いました。 完全にこれに沿わなくても、気になったことはとりあえず紙にバーッと書いてみる、という癖がついてから施策の一歩目が早くなりました。 タスクをやる時間よりもやろうかなどうしようかなって考える時間が長くなる悪癖があったのですが、今はだいぶ減らせたと思います。

分析・戦略思考が得意なこと

対になるのでこちらも書いておきます。

  • 定量数値の分析
  • ロードマップ作成
  • 予算作成
  • 中期KPI改善計画

数値の分析やロードマップ作成はそのまま戦略的なことでそれはそうだろうという感じです。 こちらはコンサル系でよく使われるフレームワーク(PEST・3C・STPなど)で環境分析や基本戦略を立てます。

予算やKPI改善計画については、分析思考として、論理的な分析を行います。 マインドマップツールを使ってロジックツリーを作成するなど、変数を構造的に把握し、対処できるようにします。 これら検証に時間がかかるものは論理的に考え精度を上げていくことが重要です。

どちらも大事

私は「正しい製品をつくる」ということがPMの役割だと思っています。ユーザーにも会社にも社会にも「正しい」価値を提供するものをマネジメントすることが使命です。 その中で、私の中にいつもある問いが「より良い決定をより早くするにはどうするか」です。デザイン思考を知った上で、分析思考との意識的な切替はとても役に立っています。

これからも引き続き、日々の課題をより効率的にクリアしていくこと、戦略を自分より上のレイヤーだけに任せずに自分からも積極的に提案していくことの両方を大事にします。

速度も精度も上がるように日々訓練! がんばるぞ!

参考にしたもの

デザイン思考と戦略思考はどう違うのか? ~コンサルタントから見たそれぞれの役割・位置付け~ – Hajime Tanabe – Medium

新たな発想をビジネスへ繋げるデザイン思考(Design Thinking)|これからは、コレ!|ITソリューション&サービスならコベルコシステム

デザイン思考 - Wikipedia